お金と支払い
アメリカ留学中の年金・健康保険はどうする?出国前に確認したい手続き
アメリカ留学の準備では、学費やビザに加えて、日本の年金と健康保険の手続きも必要です。「留学するので全部解約」「親の扶養だから手続き不要」とまとめて判断すると、必要な届出を見落とすことがあります。
最初に確認するのは、現在どの制度に入っているか、海外での生活予定はどうなっているか、留学中も日本の勤務先との雇用関係が続くかの3点です。この記事では、日本から留学する学生と保護者向けに、公的機関の案内をもとに制度ごとの考え方と相談先を整理します。制度情報の確認日は2026年9月25日です。
年金と医療保険を分けて確認しましょう
| 確認する制度 | 主な相談先 | 留学前の確認内容 |
|---|---|---|
| 国民年金 | 市区町村の年金窓口・年金事務所 | 国内居住か海外居住か、任意加入、保険料の扱い |
| 国民健康保険 | 加入している市区町村 | 海外転出時の資格喪失、保険料の精算 |
| 勤務先の健康保険の扶養 | 親などの勤務先・加入保険者 | 海外留学の特例、収入・送金などの認定条件 |
| アメリカで使う医療保険 | 留学先の学校・保険会社 | 加入義務、補償期間、学校指定条件 |
親の健康保険の扶養に入っている子どもでも、それだけで国民年金の保険料が不要になるわけではありません。国民年金の第3号被保険者は一定の条件を満たす被扶養配偶者の制度です。健康保険上の「扶養」と年金の区分を同じものとして扱わないようにしましょう。
長期留学では住民票をどうすればよいですか?海外転出届だけで手続きは終わりますか?
まず市区町村の住民登録窓口に、海外転出届が必要かを確認しましょう。届出をしても、年金・健康保険・税・マイナンバーカードの手続きがすべて終わるわけではありません。
「長期留学だから住民票を抜く」と期間だけで決めず、出国予定日、滞在期間、帰国の見込み、日本の住まい・生活拠点を整理して窓口に伝えます。届出が必要な場合は、いつから提出できるか、期限、必要書類、郵送や代理人による手続きが可能かまで確認してください。例えば横浜市の国外への転出届の案内には、窓口や必要書類がまとめられています。実際の手続きには、自分が住民登録している自治体の案内を使いましょう。
年金・健康保険はこの後の各項目で確認し、次の手続きも別に確認します。
| 項目 | 確認先・聞くこと |
|---|---|
| 住民税 | 市区町村の税担当窓口に、出国後の納付と通知の受取方法、納税管理人の届出が必要かを確認します。海外へ出るだけで納付が不要になると考えず、届いている納税通知書も用意しましょう。自治体の例として横浜市の納税管理人の案内を確認できます。 |
| 所得税などの国税 | 申告・納付などが残る場合は、税務署に確認します。住民税の窓口とは別です。非居住者となり国税の手続きが必要な場合の納税管理人について、国税庁が案内しています。自分に必要な手続きと期限を確認しましょう。 |
| マイナンバーカード | 日本国籍で有効なカードを持ち、国外転出後も継続利用する場合は、国外転出予定日の前日までの手続きが案内されています。市区町村の窓口に持参物と開庁日を確認し、出発直前に持ち越さないようにしましょう。J-LISの国外利用の案内で対象と手順を確認できます。 |
窓口で確認した「必要な届出・提出先・期限・完了した日」を同じメモに残すと、手続き漏れを確認しやすくなります。日本での手続きと並行して、渡米前の生活準備チェックリストで通信・住まい・支払いの準備も進めましょう。
このFAQの制度情報確認日:2026年10月4日。
国民年金は海外居住と国内居住で扱いが変わります
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人には、原則として公的年金への加入が必要です。留学先が海外でも、国内居住の扱いが続く場合には、その前提で年金の確認が必要になります。
一方、海外に居住することになり、国民年金の強制加入対象ではなくなる場合、日本国籍の人には任意加入の制度があります。任意加入をすれば保険料負担が続きますが、将来の年金額などに関わるため、単純な節約だけで決めずに確認しましょう。任意加入中は、保険料の免除・納付猶予や学生納付特例を利用できません。日本年金機構:海外居住者の任意加入
ここでいう海外居住は、保険料の安い方を自由に選ぶ仕組みではありません。留学期間、生活の本拠、住民登録などの事情を市区町村に説明し、必要な届出と資格の扱いを確認してください。日本の会社に在籍したまま留学する人は、厚生年金・健康保険の継続について勤務先にも確認が必要です。
海外大学なら学生納付特例を使える?
学生という名称だけでは決まりません。学生納付特例は対象校が定められており、日本の大学等に加え、一部の海外大学の日本分校が対象です。アメリカの大学や語学学校への在籍だけで、当然に対象になるとは考えないでください。
日本の大学に在籍したまま交換留学する場合などは、在籍状況と対象校一覧を照合します。対象校への在籍に加え、申請する本人の前年所得が基準内であることも条件です。家族の所得は問いません。学生納付特例は保険料の納付を猶予する制度で、申請と審査が必要です。未納のまま待たず、対象になるか窓口で確認しましょう。日本年金機構:学生納付特例制度
国民健康保険は海外転出の手続きと一緒に確認します
国民健康保険に加入している人が海外へ転出する場合は、市区町村で資格喪失の手続きを確認します。例えば横浜市は、住民登録の転出手続きを先に行い、国保窓口で届出をするよう案内しています。届出に必要なものや保険料の精算方法は、自分が加入する自治体の案内を使いましょう。横浜市:海外転出時の国民健康保険
特に確認したいのは、いつまで資格があるか、出国月の保険料をどう精算するか、資格確認書などの返却が必要かです。一時帰国の予定がある場合も、その都度当然に国保へ加入できると決めず、帰国時の生活実態を含めて相談してください。
親の健康保険の扶養は、留学の特例を確認しましょう
勤務先の健康保険の被扶養者には国内居住要件がありますが、海外留学する学生などには例外となる制度があります。ただし、留学していれば無条件に扶養を維持できるわけではありません。生計維持などの条件もあり、留学を証明する資料や送金の確認資料が必要になることがあります。日本年金機構:家族が海外居住の場合の手続き
親の勤務先には、渡航予定日、学校、留学期間、生活費の負担者、現地での収入予定を伝えましょう。留学から現地就職へ切り替わる場合や収入が変わった場合には、再確認が必要です。健康保険の扶養と税法上の扶養も別の制度なので、一度の届出ですべて完了するとは限りません。
日本の手続きとアメリカの医療保険は別に準備します
日本の保険資格を維持できる場合でも、それだけで学校が求める保険条件を満たすとは限りません。学校指定保険への加入が必要か、他社保険を使う場合の免除申請があるか、授業開始前と帰国前も補償されるかを学校に確認します。
日米社会保障協定についても、「留学生がアメリカで日本の保険をそのまま使える制度」と理解しないことが大切です。協定は、主に国をまたいで働く際の社会保障の二重加入防止や年金加入期間の通算などを扱います。企業派遣・現地採用・学生では状況が異なります。日本年金機構:社会保障協定
出国前は家族で1枚の確認メモを作りましょう
準備を進めるときは、「現在の加入先」「相談した窓口」「必要書類」「手続き日」「資格が変わる日」「帰国時の対応」を同じメモにまとめます。保護者が日本で郵便を受け取る場合は、本人宛ての年金・保険関係の書類をどう共有するかも決めておくと安心です。
留学中に20歳になる人、退職してから渡航する人、留学後に就職を考えている人は、途中で条件が変わりやすいケースです。出発時の手続きを終えたら、次に確認する時期まで予定表に入れておきましょう。
アメリカ留学の準備と、毎日の暮らし。